故人の確定申告
故人のために、家族の方がしなければならない大切な法手続きが、所得税の確定申告です。(これを準確定申告といいます)多額の医療費を支出された場合には、税金の控除が受けられますので確認していきましょう。
相続人が故人の確定申告をおこないます
遺族は「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」のいずれか一つが受給できます。
- 法定相続人が2人以上いる場合には、同一書類で一緒に申告するようになっています。
- 法定相続人が確定していない場合は、相続人の中から代表者を決めて申告します。
- 故人が勤務する事業所(会社)でおこなってもらえる場合もありますので勤務先に問い合わせてみるとよいでしょう。
亡くなられた日から4ヶ月以内に申告を済ませます
・故人が死亡された年の1月1日から死亡日までの所得税について、確定申告をおこないます。
・故人が前年分の確定申告をしないまま死亡された時は、前年の確定申告も相続人がおこなわなければなりません
税務署に持参するものは…
・故人の死亡日までの決算書(事業主の場合)、その他所得の内訳書
・源泉徴収票、生命保険・損害保険の領収証、医療費の領収証
・印鑑、申告者を確認できるもの(免許証等)
10万円以上の医療費は控除が受けられます
・年間の医療費が、10万円あるいは所得の5%以上(10万円を限度とする)の場合は、医療費控除が受けられます。(最高金額は200万円まで)
・医療費控除には、原則として領収証が必要ですが、支払を証明できるもの(家計簿)でも認められる場合があります。
・通院に必要な交通費も、適正と認められるものは控除の対象となります。
後からでも保険の支払を請求できます
- 遠隔地で医者にかかった場合など、保険証を持参していない為に医療費の全額を自己負担した場合は、その支払を証明する領収証を持参して手続きをすれば、保険から規定の割合で医療費が支払われます。
- 所轄の国民健康保険課や、勤務先を通じて社会保険事務所などに問い合わせてみましょう
高額な自己負担医療費は補填されます(健康保険・国民健康保険とも同じ)
- 1ヶ月に医療費の自己負担が63,000円(低額所得者は35,400円)を超えた場合は、高額医療費として超過分が保険より支給されます。
- 同一世帯で同じ月に自己負担額が30,000円(低所得者の場合は21,000円)以上の方が二人以上の場合は、それぞれの自己負担額を合算して63,000円 (低所得者の場合は35,400円)を超えた額が支給されます。
- 同一世帯で1年間に高額医療費の支給に該当する月が4回以上もある時は、4回目からは、月に37,200円(低所得者の場合は24,600円)を超えた額が支給されます。(H5年5月実施)
- 複数の医療機関にかかった場合、合算すると補填基準を超過している場合がありますので、注意して手続きを行いましょう。
- 低所得者とは市町村民税の非課税世帯(市町村長の証明必要)と生活保護法の被保護者世帯(福祉事務所長の証明必要)です。
故人の書類は保管しておきましょう
事業関係の領収証や帳簿などは、(7年間の保存が義務づけられています)確定申告に対する税務調査などで必要となる場合がありますので、大切に整理・保管しておきましょう。
故人の確定申告に関するQ&A
Q.故人の確定申告は誰がするのですか?
A.法定相続人が故人の確定申告をします。故人が勤務する事業所(会社)で給与から源泉徴収している場合は、事業所でおこなう場合がありますので、故人の勤務先に問い合わせましょう。
Q. いつまでに確定申告すればよいのですか?
A. 亡くなられた日から、4ヶ月以内に申告を済ませます。故人が前年分の確定申告をしないまま死亡された時は、前年の確定申告も相続人がおこないます。
Q. 故人の所得税の負担は誰がするのですか?
A. 法定相続人にあたる方が負担します。予納分や源泉徴収の還付を受ける場合もあります。支払った故人の所得税額は、相続財産から債務として控除されます。
A. もちろん受けられます。故人の医療費、および故人の扶養家族の医療費は、死亡日までに支払った分は、故人の確定申告で控除されます。故人の死亡後に支払われた医療費は、相財産からの控除となります。