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【ブログ・徳冨裕志】創業者へのお墓参り

こんにちは! 株式会社まきの営業部の徳冨裕志です。

わたしたちの会社では、この会社を創業された牧野久男さんの命日に、社員総出で必ずお墓参りを行っています。

その温和な人柄から、わたしたち若い社員から「会長!カイチョ―!」と親しまれた牧野久男さん。今日は、創業者へのお墓参りについてお話いたします。

なお、記事の中でも、牧野久男さんへの最大限の敬意を込めて「会長」と呼ばせていただきます)。

4月中旬。お墓参りの季節

会長の祥月命日は4月17日です。そして毎年4月17日の前後1週間、社員総出で会長のお墓参りに行きます。

桜も散り、春の日差しがいよいよ気持ちよく感じられる季節です。石神井公園のほとりで、青い空、森の木の葉擦れの音を聞きながらのお墓参りです。

葬儀社は24時間365日稼働しているので、全社員が一斉にお墓参り、というわけにはいきません。何グループかに分かれて、行けるタイミングでお墓参りをします。

お墓に到着すると、まずはみんなで雑草を抜き、墓石を磨きます。

会長のお墓は基本的にきれいな状態が保たれています。なぜなら、毎年4月になると数グループに分かれて、若い社員たちがしっかりと掃除をするわけですから。さらに、お盆やお彼岸、年末年始などは牧野家の人たちによるお参りもあります。

そのため、お墓掃除をそこまで負担に感じることはありません。むしろ、もともときれいなお墓をさらに拭き磨くことで、自身の心もピカピカになっていく気がします。

掃除を終わると、お花とローソクと線香をお供え、そして合掌。在りし日の会長との思い出がよみがえります。

日々忙しく、追われるように仕事をしているわたしたちですが、この時ばかりは、時間がゆっくりと流れて、すっと心が落ち着くひと時を過ごすことができるのです。

お墓参りで培われる感謝

わたしはどちらかというと、そんなにお墓参りをしてこない人生を歩んでいたと思います。

前のブログ記事「徳冨家のお墓問題と東京の最新お墓事情」でも書きましたが、上京組の両親は健在で、父は鹿児島、母は北海道出身ですから、ご先祖さまのお墓参りに頻繁にいく、ということもありませんでした。

このように考えてみると、人生の中で本格的なお墓参り体験をさせてくれたのは、会長がはじめて、ということになります。

会長へのお墓参りは会社からの指示、いわば業務です。そのため、正直に言うと、若いころは、

「めんどくせえなあ」

「かったりいなあ」

…などと思ったりもしていました(会長、申し訳ありません!)。

でも、お墓参りを続けていくことで、「意外と悪くないかも」と、自分の中での考えやスタンスが変化していきました。お墓参りをすることで、その人のことを思い出せるということに気づいたのです。わざわざ墓地まで足を運んで、しっかりと掃除をして、手を合わせる。この『わざわざ足を運ぶ』ということが、きっと大事なんですよね。

「大切な人のことを、心で想う」

…というのはもちろんすばらしいことですが、心の中で想うだけでなく、現場まで行って、しっかりと身体を動かすことが、さらに弔いに実感が伴い、祈りをより深いものにしてくれるんだと思います。

そして、相手はなんといってもこの会社の創業者、会長です。

「この人のおかげで今の会社がある。お給料をいただいている。家族との暮らしがある」という事実を再確認し、それに対する感謝が、強制的にではなく、自然に生まれてくるんです。

いま自分が置かれている環境に感謝できるって、とてもすてきなことですよね。それだけで自己肯定感が上がりそうですし、毎日が楽しくなりそうですし、イヤなことに対してもがんばって向き合えそうです。

お墓参りをくりかえすだけで、こんなにもメンタルが変化するだなんて、これってすごいことですよね。

「まずはやること」の大切さ

若い社員たちの中には、若かりしわたしと同じように、

「めんどくせえなあ」

「かったりいなあ」

…みたいな顔をする人もいます。もちろん、年が下り、会長との接点が少なくなればなるほど、そういう想いになることも想像できます。

でも逆にすごいのは、墓石がそこにあり、お墓参りするだけで、この世界で会ったこともない人にもアクセスできるということです。

そして、それを身体として体感するには、やっぱり「まずはやってみる」、これがものすごく大事です。

後輩社員から遠回しに「なんで会社のお墓にお参りしなきゃいけないんですか?」と聞かれた時、わたしは必ず「とりあえずやってみようよ。やったら分かるよ」と話しています。

なぜなら、わたしがそうだったからです。お墓参りのよさというものは、自分も年を取りながら、回数を重ねることで、分かってくるものです。

葬儀とお墓は、亡き人と出会える場所

お葬式は、この世を旅立つ故人さまを送り出す儀式。そしてお墓は、定期的に故人さまにアクセスできる場所。

ともにこの世の人ではなくなった亡き人と出会うためのものです。

人は必ず亡くなります。会長をはじめ、ぼくたちの諸先輩方もみんな亡くなっていき、いつかは自分もこの世界を離れる身となります。

だからこそ、亡くなった人と出会える場所が大事に思えます。

「あなたがいるからわたしがいる。ありがとう」

このように思えるようになると、いつかやって来る自分自身の死も、少しだけやわらぐ気がしてきます。

この会社を作って下さり、いまのわたしの生活を支えて下さり、さらには、わたしの死の不安をちょっとだけ和らげて下さるだなんて、牧野久男会長に、お墓参りに、心から感謝いたします。

本当に、ありがとうございます!

徳冨裕志