
葬儀・法事のお寺との付き合い方

まもなく節分、立春を迎え、少しずつ春が近づいてきますね。
とはいえ、まだまだ寒い日が続きますので、身体をあたたかくしてお過ごし下さいませ。
マキノ祭典は数多くのお葬式のお仕事をいただいており
社員が汗をかいてそれぞれの現場で奮闘しています。
そして、お客様からよくいただく質問が
「お寺との付き合いがないけど、どうしたらいいですか?」
「故郷が遠方で、実家のお寺に来てもらうわけにはいかない」
…といった、お寺の問題です。
なんだかんだ言って、今でもお葬式にはお寺の存在は不可欠です。
いったいお寺との付き合い方をどう考えればよいのでしょうか。
葬儀・法事におけるお寺との付き合い方についてお話させていただきます。
菩提寺ってなに?
まずはじめに、お寺との付き合い方を上で、とっても大事なことばをご紹介いたします。
「菩提寺」です。
ボダイジ・・・?
と、はじめて耳にする人もいるかもしれないので、まず簡単に菩提寺について解説します。
菩提寺とは、その家の故人や先祖代々の供養を専門で行ってくれるお寺のことです。
ちなみに、菩提寺に対して供養される側の家のことを「檀家(だんか)」と呼びます。
菩提寺と檀家の関係は江戸時代の徳川幕府の政策によって固定化し、令和になった今でも根強く日本社会に浸透しています。
菩提寺は、檀家の先祖を永代にわたって供養をし、檀家たちは、日ごろからお寺に出入りしては菩提寺を支えました。
かつての村社会では、村の中に必ず一つお寺があり、その地域に住む人たちは、たいてい同じお寺の檀家だったわけです。
今風にいうならば、菩提寺の住職は自治会長、檀家は自治会の住民
…といった感じでしょうか。
ただ、厳密に”エリア”で分けられているわけではありません。
たとえば練馬区石神井には、真言宗の三宝寺や、曹洞宗の道場寺など、さまざまなお寺がありますが、ご近所さん同士で、
「うちの菩提寺は三宝寺さんなの」
「わたしのところは道場寺さんよ」
…というのはよくある話です。
葬儀をお願いするお寺がない時の対策
東京には、日本各地から上京し、やがて結婚し、家庭を持つ、という人がたくさんいます。
従業員の好永も愛媛県出身。
好永家の菩提寺は愛媛県にありますが、現在西東京市に住んでいるので、愛媛の菩提寺にお参りすることはほとんどありません。
好永と同じような人が、東京には当たり前のようにいます。
そんなおうちに不幸がおき、葬儀のためにお寺に来ていただく場合、さて、どうすればよいのでしょうか。
対策方法は次の3つです。
- 故郷から菩提寺に来てもらう
- 菩提寺に、東京のお寺を紹介してもらう
- マキノ祭典がお寺を紹介する
順番に解説いたしますね。
1:故郷から菩提寺に来てもらう
菩提寺との結びつきが強い場合、まずは菩提寺に連絡することをおすすめします。
そして実際に菩提寺が東京までやって来るのは決して珍しいことではありません。
お寺からすると、大切な檀家のご不幸ですから、たとえ遠方であれ、心を込めて供養をしたいと考えるのはごく自然なことです。
実際に、北海道や九州から、通夜や葬儀のためにお坊さんが上京してきたケースはこれまでも何度もあります。
逆に、先祖代々の供養をしてもらっている菩提寺があるにも関わらず、おうちの人の判断で勝手に別のお寺を手配することで、葬儀後の法要や、お墓への埋葬を受け付けてくれないなどのトラブルに発展することもあります。
なのでまずは、身内に不幸が亡くなったことを菩提寺に連絡しましょう。
2:菩提寺に、東京のお寺を紹介してもらう
菩提寺に連絡したものの
「時間の都合が合わない」
「遠方でお寺を離れられない」
「申し訳ないが、東京まで行けない」
…といった返事をもらうことも考えられます。
このような時、菩提寺が東京の同じ宗派のお寺を紹介してくれることもあります。
菩提寺が紹介するお寺ですから、あとからトラブルになる恐れもなく、安心です。
中には、戒名だけ菩提寺が名づけ、葬儀を東京のお寺が勤める、といったケースもあります。
3:マキノ祭典がお寺を紹介する
「そもそも菩提寺がない」
「自分たちでお寺を決めたい」
そんな時は、マキノ祭典にご相談いただければ、たくさんのつながりあるお寺の中から希望にかなったお寺をご紹介いたします。
宗派、日程、戒名、お布施のご予算など、おうちの方にもさまざまな不安や希望があるはずです。
それらを全部マキノ祭典にお話しいただけますと可能な限り希望にあうお寺をご紹介いたしますよ。
葬儀後の付き合いはどうしたらいい?
お寺との付き合いは、葬儀だけでは終わりません。なぜなら、お葬式は供養のスタート地点だから。
お葬式を終えて、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌と・・・
日々の供養や定期的な法要を通じて、ゆっくりと時間をかけて故人さまの供養をしていくものです。
ですから、お寺との付き合いも継続するのが一般的です。
菩提寺の場合、すでに何代にも渡る付き合いがお寺と家の間で交わされているわけですから、ある日勝手に関係を断つ、というわけにはなかなかいきません。
法事のたびに故郷に帰る、あるいは菩提寺に東京に来てもらうのいずれかになるでしょう。
しかし、菩提寺は関係なく、マキノ祭典が紹介したお寺であれば、通夜と告別式だけでの依頼でも構いませんし、葬儀後の供養を継続しなくても構いません。
もちろん、信頼を寄せられるお寺であるならば一周忌、三回忌と、継続してお参りしてもらい、関係を築いてもらえたらいいと思います。
ご縁をおつなぎした私たちとしても、とてもうれしく思います。
お寺って必要?
「そもそも、葬儀や供養にお寺って必要?」
このように考える人も、いますよね。
もちろん葬儀や法事にお寺を呼ぶかどうかは、おうちの方の判断で決めて構いません。
宗教観は人それぞれですし、いまは社会的なしきたりよりも、個人の考えが尊重される時代です。
お坊さんのいない葬儀、お寺を呼ばない供養をしている方も、少なくありません。
ただ、2500年続く仏教の教え、1500年続く日本仏教の伝統も、なかなか馬鹿にできないのではないか、こう思っています。
大切なお身内との別れを自分たちの力だけでなしとげるというのは、なかなか大変なことです。
形式的に葬儀を終えることはできても、心の問題、魂の問題、グリーフ(死別の悲しみ)ケアをどれだけ自分の力でできるかというのは、少しばかりクエスチョンが残ります。
「お葬式は無宗教葬にしたけど、あとからお寺に供養してもらいました」
「直葬にしたけど、お父さん成仏してくれたかな」
「故人は散骨を希望してたけど、家族と話し合ってお寺のお墓に埋葬しました」
・・・などの声はものすごく多く聞きます。
葬儀の時は「お寺は不要!」と思っていても、時間が過ぎるごとに、お寺やお坊さんの力を頼りたくなるのでしょう。
それくらい、身内の死は悲しく、人の心はもろいものでもあるのです。
おわりに
まずはご自身に菩提寺との関係があるかないか。
菩提寺がある場合は一度連絡を取ってみる。ない場合はぜひマキノ祭典に相談してください。
その後の付き合いは心が納得する形を選ぶ。…というのがよいかもしれませね。