ご遺体安置とは? 安置の場所や遺族がすべきことを分かりやすく解説
ご遺体安置とは、通夜や葬儀の実施まで、故人さまを一時的にご安置することを指します。
通常、病院や警察など、故人さまがいる所へ葬儀社が出向き、搬送車でご安置の場所までお運びします。ですからご家族は、故人さまがご逝去を迎えたら、どこに遺体安置すべきかをすぐに考えなければなりません。
長く付き添いができる自宅がいいのか、それとも負担のかからない施設がいいのか。この記事では、お葬式当日までの間の遺体安置の場所の選び方や手順について、分かりやすく解説いたします。
お葬式までの期間 遺体安置の場所は2つ
遺体安置の場所は、主に次の2つです。
- ご自宅
- 葬儀社や火葬場・斎場が保有する安置施設(霊安室)
ご逝去を迎えたらご遺族は速やかに故人さまを運び出さなければなりません。ですから、葬儀社に連絡する時は、予めご遺体安置の場所を決めておきましょう。
自宅のお布団へのご安置、葬儀社や火葬場が保有する施設の利用、それぞれにメリットと注意点があります。次章で詳しく解説いたします。
自宅安置のメリットと注意点とは?
ご自宅に遺体安置する場合の、メリットと注意点は以下の通りです。
故人の希望を叶えられる
わが家で最期を迎えたいと考える方は実に多く、故人さまの願いを叶えることができます。
ずっと付き添いができる
遺族にとっても、自宅に安置することで、故人さまに少しでも長く付き添いができます。
施設の利用料金がかからない
施設に遺体安置をすると、日額で料金が発生しますが、自宅の場合はこうした費用がかかりません。
ドライアイスの費用がかかる
施設の料金こそかからないものの、ご遺体保全のために、基本的に毎日ドライアイスを交換するため、その費用がかかります。
布団や祭壇など、遺体安置のための場所が必要
自宅に遺体安置するためには、故人のお布団、祭壇の設置などのスペースが必要となります。また、搬送車をご自宅に横付けし、玄関から遺体安置するお部屋までの導線も確保しなければなりません。マンションなどの集合住宅にお住いの方は、この点を考慮しましょう。
ご近所の目に触れる
遺体安置の出入りの際に、どうしても人目にふれてしまいます。家族葬などでご近所に知られたくない場合は注意が必要です。
葬儀社や火葬場、斎場の安置施設のメリットと注意点
葬儀社や火葬場が保有する遺体安置専用の施設を利用する場合のメリットと注意点は以下の通りです。
マンションや自宅で遺体安置できない場合
遺体安置の専用施設を利用する多くの方は、自宅への安置が困難な方々です。マンションや狭小住宅、道の狭い住宅街などにお住いの場合、自宅への遺体安置は困難を極めます。こうした場合は、葬儀社に相談して、安置施設を利用しましょう。
遺体の衛生保全が安心
施設利用の場合、多くは保冷庫や保冷室で安置されます。加えて葬儀社スタッフがこまめに状況を確認してくれるので、腐敗や変色など、衛生面でも安心です。
遺体安置までの手順が楽
自宅に安置する場合は、布団の準備、神棚封じ、枕飾りの準備など、さまざまな準備をしなければなりません。しかし遺体安置施設を利用する場合は付き添いやお参りのもろもろの準備が不要なので、負担が軽減されます。
利用料金がかかる
遺体安置施設の場合、自宅と異なり利用料金がかかってしまいます。料金の相場は、大体一日あたり1万円前後です。
面会に制限がある
遺体安置施設では、複数のご遺体を預かっています。そのため、面会時間やお参りの方法に制限が設けられていることも少なくありません。付き添いができないところもあるため、事前の確認が大切です。
遺体安置の手順
遺体安置の手順は次の通りです。
ご逝去
故人さまがお亡くなりになると、速やかに葬儀社に連絡しましょう。この時に、以下のことを伝えます。
- 故人の情報
- 連絡している本人の情報
- お迎え先の場所
- 遺体安置の場所
また、病院の医師からは「死亡診断書」を、警察の場合は「死体検案書」が手渡されます。のちのちの手続きで必要となる大切な書類となります。
ご搬送
葬儀社の搬送車に故人様をお乗せして、希望の遺体安置場所にお連れします。通常、家族一人が同乗します。
遺体安置(自宅の場合)
自宅に遺体安置する場合は、以下のことを用意、準備します。
- 遺体安置する部屋の整理、掃除
- お布団の準備
- 枕飾りの設置(通常は葬儀社が準備)
- お供え物の準備(枕飯、枕団子、お花)
- 神棚がある場合は、お供え物を下げて、半紙で封じる
- ドライアイスの手当
- 僧侶に連絡(枕経の有無、葬儀日程の打ち合わせなど)
遺体安置(施設の場合)
施設を利用する場合は、すべてを葬儀社にお任せしておけば安心です。ご遺族は、以下の点を確認しておきます。
- 施設の利用料金
- 面会時間やお参りの方法
- 付き添いができるかできないか
- 遺体安置の方法(保冷庫使用の有無など)
遺体安置のまとめ
自宅に遺体安置することで、お通夜やお葬式までの時間、ずっと故人さまに付き添いができるというメリットがあります。しかし、昨今の住宅事情では自宅に連れて帰れないという方も少なくなく、こうした人は遺体安置施設を利用するとよいでしょう。
この記事が、満足いくお葬式のためにはどちらに遺体安置すべきかを考える一助となれば幸いです。
記事を読んだだけで分からないという方は、どうぞお気軽にマキノ祭典にご相談下さい。