【ブログ・斎藤光司】マキノ祭典のミステリーハンターによるマニラお葬式探訪記
こんにちは。マキノ祭典の斎藤光司です。
最近は若手がどんどん成長し、すっかりベテランになりましたが、心はいつも20代。身体の中からあふれ出る冒険心と好奇心が止むことはありません。
世界には、まだまだ私たちの知らない世界が広がっています。
長期休暇を利用して、5泊6日でフィリピン・マニラをひとり旅。その時の話をしたいと思います。
マニラの魅力はスリルと熱気
9月のマニラは雨季の真っ只中。
日本以上に湿度が高く、そして日本ではなかなか体験できない激しいスコール。
マニラの大気は常に湿っていて、人もあふれかえり、昼でも夜でも、どの時間でも熱がこもっている、そんな街です。
日本に比べると、フィリピンは決して治安のよい国ではありません。
実際に私も馬車に乗って法外な金額をぼったくられましたし、
街を歩いていたらすれ違いざまの女の子にいきなりスマホを「スッ!」 と持っていかれそうになりました。
気を抜いた瞬間、何かが持って行かれる…。
そう、それがマニラなのです。
でも、こんな環境で生きている人は、とにかく明るい、たくましい、そして社交的。
「また盗まれるんじゃねえか」
とヒヤヒヤしながら、たくさんの人とニッコリ笑ってスマホで写真を撮りました。
このスリルこそが、マニラのエネルギーなんです。
世界三大夕日に数えられるマニラ湾の夕暮れ

この方も、下りる時には法外な費用を請求されるのだろう。
チャレンジ! マニラ飯
現地を知るには同じ飯を食うべし。
これ、旅の鉄則ですね。
私も観光客向けのレストランに入ることなく、地元民が汗だくになりながら集まる屋台ストリートへ突撃しました。
マニラにはたくさんのストリートフードがありますが、
その中でも特に美味しかったのが「バロット」。
バロットとは、アヒルが孵化する直前の卵を茹でたもの。殻を割るとアヒルのヒナの姿が見えます。
一見グロいのですが、眉間にしわを寄せている私に店のオヤジが…
「Eat! Eat! Good! Power!!」
と勧めてきます。
もうここまで言われたら逃げられません。おそるおそる一口…。
すると、普通に、いや、かなり旨い!
食感はしっかり、味は濃厚。塩とビネガーを軽く振って、ビール片手にやみつきになるソウルフードです。
バロット。マニラ訪問の際には必ず食べておきたいソウルフード。
屋台では「ビーフパレス」も捨てがたい。
牛肉を煮込んだあっさりスープ。ヌードルにしたり、ライスのお供にしたり。
右がビーフパレス。マミ(中華麺)が入っている。見た目以上にあっさりして美味!

ビーフパレスとライスをがっつくマニラの若者たち。
そして、忘れてはいけないのは国民的ファーストフードの「ジョリービー」。
ここのパスタとバーガーはやみつきでした。
これらの食事は日本円で100円~300円程度。
財布にやさしい高カロリー。それがマニラ飯です。
マニラの昼ビール
熱気が蒸せかえす街だからこそ、ビールが旨い。
マニラの街中では、人目はばからず歌う人、昼からビールを飲む人、そこらで昼寝をしている人があちこちにいます。
私も開放的な気分になって、街歩きしながらビールを飲もうとコンビニで買うと
アルバイトらしき兄ちゃんが「No!No!」と言ってきます。
なんでもマニラでは歩きながらの飲酒は禁止されているのだとか。
法律なのか、しきたりなのか、誰もがあちこちでビールを飲んでいるというのに、とても不思議です。
そして、兄ちゃんが用意してくれたのが紙袋。
瓶をその中に入れて「This is OK」とニッコリ笑顔。見えなければ大丈夫という理屈のようです。
こうして、ビール片手にマニラのマーケットをくまなく散策したのでした。
現地に入ってまず訪れたのが散髪屋。現地でトレンドの髪型をオーダーした。

マニラの人たちはとにかく社交的。たくさんの人と写真を撮った。スマホを盗まれないかヒヤヒヤしながら。
他にも、現地の散髪屋で髪を切った話や、スラム街の話などしたいところですが、ここは葬儀屋さんとして、現地のお葬式とお墓の話をしたいと思います。
アジアのキリスト教都市・マニラの葬儀とお墓
今回の旅の目的のひとつは、マニラのお葬式とお墓を見てみたいからでした。
というのも、フィリピンはアジアで数少ないキリスト教国家。
そんな国のお葬式やお墓について、この目で見てみたかったのです。
フィリピンのお葬式は、1週間から10日と、長いことで有名です。
とかくひとりひとりの人間付き合いが多く、その関係性も濃密なので、たっくさんの人たちが参列に来るのです。

フィリピンはカトリックの国。いたるところに教会や十字架がある。
ネット情報では、教会で行うことが多いとのことでしたが、私が旅行中に見たお葬式は自宅で行われていました。
入り口付近にテントが張られ、そこに棺が安置されており、参列者がいつ来ても面会できるようになっている、これを1週間続けるのです。
私がその様子を見学していた時も、故人や遺族の友人や知人たちがやってきては、棺の中の故人と面会し、そして楽しそうにワイワイと話しこんでいました。
そう。マニラはお葬式も開放的で明るい。これが大きな驚きでした。
フィリピンはキリスト教国、しかも大半がカトリックです。
カトリックって、より厳格なイメージがありますが、フィリピンという地域に土着していく中で、明るく開放的なカトリックが醸成されたのでしょうね。
また、カトリックの教義に倣い、基本的に火葬をせずに土葬をします。
しかし、土葬をするためには広い面積の墓地が必要となり、その分お金がかかります。
中流から富裕層向けの個別墓だと思われる。
富裕層以外の庶民たちはどうしているかというと、なんと!屋外墓地に積み上げられたコンクリートの箱の中に棺ごと納めるのだそうです。
「どういうこと?」って思いますよね。ちょっと説明します。
墓地に行くと、コンクリートの箱状のものが何段も高く積み上げられているのですが、この中に棺を納めて埋葬(実際には埋めていない)するのだそうです。
「ん?この中に棺ごと入れる。となると、中の遺体はどうなるの?」
墓地には住みついている人もいて(いわゆる墓守?)、お墓参りの人たちのチップで生計を立てているみたい。この人にカタコトの英語で訊ねてみると、
●安置期間は5年
●棺を納めたらブロックとセメントで封印する
●棺とともに中の遺体も朽ち、骨だけになる
●5年経ったら墓を開け、遺骨を遺族が持ち帰る
●空区画は再び別の利用者に貸し出される
…と、あちらもカタコトの英語で説明してくれました。
積み上げられた墓地区画。この中に棺ごと故人さまが納められている。

墓地の中に住む人たち。墓地の管理を担っている。
コスト削減と土地不足を解消するお墓のかたち。
衛生的によいとは言えない墓地ですが、
その墓域内に人が住み、近所の子どもたちがまるでジャングルジムで遊ぶように走り回る姿は、
日本より死が身近にあるマニラ市民たちのたくましさを象徴するようでした。
おわりに
マニラで見た景色、食べたもの、出会った笑顔、さまざまなスリル体験。
そして何より、生のすぐそばにある死。
これらすべてをひっくるめて、生きていることを実感させてくれる旅でした。
まだまだ知らない世界は広い。次は、あなたの国のお葬式を探訪するかもしれません。
以上、マキノ祭典のミステリーハンター・斎藤光司でした。