【ブログ・若林菜穂】「送り手」としてわたしが経験した3つのお葬式
こんにちは。マキノ祭典の若林菜穂です。
仕事柄、たくさんのご葬儀に携わっていますが、自分自身が「送り手」となる時間は、やっぱり特別です。
幼いころの祖母とのお別れ。
20年後、もうひとりの大切な祖母のお見送り。
そして、家族の一員として愛されたチワワの「葉月」。
今日は、わたしが経験した3つのお葬式のお話をさせていただきます。
小学1年生、はじめてのお葬式
最初のお葬式は、小学1年生のとき。父方の祖母のお葬式でした。
病気がちだった祖母。あまり一緒に遊んでもらった記憶はありません。
でも、たまに祖母の家に遊びに行くと、近所の商店まで手をつないで歩いてくれてお菓子を買ってくれた、やさしい祖母でした。
忘れられないのが納棺式。祖母の自宅で、家族や親戚が祖母と棺を囲んでいます。
はじめてのお葬式で、心臓はバクバクしていましたし、生まれてはじめて接する遺体が怖かったのかもしれません。
「鶴の折り紙を入れてあげよう」と思って、棺の中に手を伸ばしたとき、急に胸が気持ち悪くなって、その場で吐いてしまったんです。
それから、お葬式が終わるまで、わたしは祖母に近づけず、火葬場でも母と一緒に少し距離をとって、ただ見守ることしかできませんでした。
人間はいつか必ずこういう姿になるんだ、という現実を教えてくれた瞬間だったように思います。
20年後、大好きな祖母とのお別れ
それから約20年の月日が経ちました。昨年、母方の祖母をお見送りすることになりました。
祖母は、わたしにとって特別な存在でした。
両親は共働きで忙しく、さらに小学5年生のころ、母は病気になりました。入院も多く両親がそばにいないことが増えたのです。
その間、ずっと私のことを見てくれていたのが祖母でした。
父は仕事で忙しく、母も病気がちで、そんな家庭環境から心が落ち着かなかったのかもしれません。わたしは小学生の頃から、とにかく身の回りのことにイラついて、反抗期が長く続きました。
それでも祖母は、イライラしているわたしの話を辛抱強く聴いてくれていました。祖母から怒られた記憶がありません。
言い返したり、ふてくされたり。そんな幼稚なわたしを、ぜんぶ受け止めてくれた人。今になって思うと、あの頃の私を包んでくれた祖母は、本当にすごいなと思い、ありがたく感じています。
葬儀では、母の妹である叔母が喪主を務めました。私と夫は葬儀のプロとして側でサポートしました。
打合せにも同席しましたが、本当にすばらしい葬儀社さんでした。
女性ばかりの家族会議って、とにかくみんなおしゃべりで(わが家は時に輪をかけて…)話があちこちに飛ぶんですよね。
「これしたい」
「こうしたら喜んでくれるかな」
「いや、あれもある」
それにも関わらずその葬儀社さんは、まとまらない私たちを何ひとつ否定せず、
「それ、素敵ですね」
「ゆっくり考えましょう」
と寄り添ってくれました。
同じ葬儀社として、話を聴く力の大切さを、改めて教えてもらった時間でした。
14歳で旅立ったチワワの「葉月」
そしてもうひとつ、大切なお葬式があります。
6年生のときにわが家にやってきてくれたチワワの「葉月」。
病気がちの母を癒すために、わが家に迎えました。小さな身体で、みんなの心に寄り添ってくれましたし、家族みんなが葉月のことをかわいがっていました。
実家から葉月の訃報を受けたときは仕事中でしたが、上司が快く「早退していいよ」と送り出してくれました。
火葬までの2日間、家族みんなで葉月を囲みました。
高校時代の友達も来てくれました。彼女たちもずっと葉月をかわいがってくれていました。
そのうちの1人は動物病院で働いていて、葉月の遺体をきれいに整え、綿詰めまで手伝ってくれました。
葉月のテーマカラーはオレンジと黄色。みんなで花屋さんでその色の花を探し回って、たくさん飾りました。
肉球スタンプも買ってきて、みんなでペタペタ。思い出の写真も印刷して、全員で手紙を書きました。
火葬のときは、大好きだったドッグフードや梨をお供え。霊園の方が、その場でわざわざ梨を剝いてくださいました。
「ありがとう」のことばとともに、みんなで葉月を送り出しました。
葉月のお骨は、あきる野の動物霊園に埋葬しました。
いまも、命日や誕生日には、練馬からあきる野まで車を走らせ、お参りしています。
お葬式を経験して気づいたこと
「送り手」として、3つのお葬式を経験して、心から感じたことがあります。
お葬式は、亡くなった人のために行うものです。
だけど同時に…
残された家族が集まり、話し、気持ちがつながる時間でもあります。
普段会えない親戚にも会える。
離れた家族も帰ってくる。
思い出を共有できる。
涙の時間なのに、不思議とあったかい。お葬式って、そういう力があるんだって、実感しました。
お葬式は、悲しいだけではなく、家族の気持ちが寄り添う時間です。
私が葬儀の仕事が好きなのは、きっとそのあたたかさを知っているからかもしれません。
これからも、お客様の大切な家族を、心をこめて送り出すお手伝いができたらと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
若林菜穂でした。