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【ブログ・半澤まどか】私が葬儀屋さんになった理由。生きる糧となってくれた亡き親友とともに | の葬儀・区民葬・家族葬ならマキノ祭典・株式会社まきの

ブログ

【ブログ・半澤まどか】私が葬儀屋さんになった理由。生きる糧となってくれた亡き親友とともに

2023.11.01

 

●社員ブログリレーをはじめてみました。

こんにちは。

マキノ祭典ファミリーサポート事業部の半澤まどかです。

マキノ祭典スタッフによるブログリレー。第1回目が私ということで、何を書こうかなと緊張しつつ、私が葬儀屋さんになった歩みのようなものをお伝えできればと思います。最後までお付き合いいただけますとありがたいです。

●14歳、親友との死別

私が葬儀屋さんで働くこととなったのは、中学2年生の時に親友を事故で亡くしたことがきっかけです。

学校行事で登山をしていた時のこと。決められたルートを歩くものでしたが、迷って崖に近い急斜面に出てしまいました。彼女の足を置いた場所の地盤が不安定で、そのまま足を滑らせて崖から滑落してしまったのです。

私はとっさに彼女が背負っていたリュックサックの紐を掴みましたが、しっかりと握りしめることができず、彼女は私の目の前で崖の下へと落ちていきました。その光景、手の中に残る感触、最後に聞いた彼女の声は一生涯忘れることのできない苦しみです。

「自分がもっと彼女に注意を払っていれば」

「もっとしっかり手に力を入れていれば」

そんなことばかりが頭をよぎり、彼女には申し訳なく、私自身も誰かから責められてしまうのではないかという恐怖に襲われ、約1年間、学校に行けない日々が続きました。

●寄り添ってくれたまわりの人たち

でも、私が家に閉じこもる期間、たくさんの人たちが私のことを心配し、いたわり、支えてくれました。

いまでも仲良くしている女性の体育の先生。担任でもないのに私の家までわざわざ足を運んで下さり、「ぜんぜん外出てないでしょ。スタバでも飲みに行こうよ」と、友だちのように接して、外に連れ出してくれました。過度な心配をすることなく、ちょうどいい距離感で私に接してくれたのだと、いまなら先生の心配りがよく分かります。

スクールカウンセラーの先生も、私の思っていることをただただじっくり聴いて下さいました。時間をかけて、ゆっくりと、否定や意見を挟むことなく話を聴いてもらうことで、たとえわずかでも心の中がスッキリします。

そして母も、焦ることなくずっと私を見守ってくれたひとりです。親としてきっとものすごく心配していただろうに、それを顔や声に出さずに、通学を促すことなく、私が自ら動き出すタイミングを待ってくれていました。愛情のひとつとして受け取っています。

他にも、たくさんの人が心配してくださったおかげで、多少の時間がかかってしまったものの、私は大親友との死別を受け入れられたのではないかと思います。

●棺の中の親友のきれいな顔

もうひとつ忘れられないのは、棺の中の親友の顔が思いのほかきれいだったことです。

崖から滑落してしまい、きっと顔中あざだらけ。変わり果てた姿になっているに違いないと当時は思い込んでいました。

彼女を亡くしてから心はふさいだままでしたが、それでもお通夜には参列しなければなりません。「どんなことがあっても、絶対に泣かずにいよう」と強く心に決めていたものの、彼女が受けたであろう苦痛や、自分の中から湧き上がる罪悪感から、彼女の顔を見ることは本当にこわかったのです。

でも、いざ葬儀会場に足を運び、棺の中の彼女と面会すると、その顔は本当にきれいで、どことなくおだやかに眠っているようでした。

もちろん、きれいな顔をしているからといって、彼女が生き返るわけでも、悲しみが癒えるわけでもありません。でも正直なことを言うと、悲しみと罪悪感に占められた心の中の一隅で、「よかった」と思えたのを強く覚えています。彼女が苦痛に満ちた顔ではなく、きれいな顔で旅立てることに、少しだけ安心できたのだと思います。

その時は、葬儀屋さんやら、納棺師さんやら、よく分かっていない14歳でしたが、彼女の顔をきれいにして下さり、そして私の中の悲しみを少しだけやわらげてくれたその方のお仕事が、いまの私につながっていると思うと、心から感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。

●死は始まり。生きる糧となってくれている彼女

いまでも彼女のご両親と話をする機会があります。葬儀屋さんになると決めた時、マキノ祭典に就職が決まった時、彼女とそのご両親に真っ先に報告をしました。ご両親は私の仕事を応援してくれていますし、きっと彼女も応援してくれているんじゃないかと思っています。

親友の死が「よかった」なんて言えません。でも、親友との死別があったからこそ、いまの私があります。

人の死は避けられず、そしてとても悲しいものですけど、きっと始まりでもあるような気がしています。彼女との死別を経て、私の人生が始まった感覚があります。

亡き人にできることは限られています。だからこそ、その想いをまわりの人に振り向けて、お役に立てる人間でいようと心に決めて、日々の仕事に臨んでいます。それを続ける限り、彼女は私の中で生き続けてくれます。そう考えると、私が葬儀屋さんになったのは、私の意志であるばかりか、私の中にいてくれている親友の意志でもあるかもしれませんね。

私の中で生きる糧になってくれている彼女とともに、今日も頼られる葬儀屋さんとして、お客様の心に、耳を傾けて参ります。