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【ブログ・西村雄史】8日に一度の早朝勉強会の講師として | の葬儀・区民葬・家族葬ならマキノ祭典・株式会社まきの

ブログ

【ブログ・西村雄史】8日に一度の早朝勉強会の講師として

2023.11.17

こんにちは。

マキノ祭典葬祭部の西村雄史(にしむらたけし)と申します。

葬祭部は、お葬式の施行を担当する葬祭ディレクターが集まる部署です。お客様のもとに駆けつけ、故人さまをお運びし、葬儀のプランニングからセレモニーの進行など、お葬式全般に関わることを日々の業務とする、まさにマキノ祭典の中核とも言える場所で、日々お仕事をさせていただいております。

●時代とともにさま変わりするお葬式

私がマキノ祭典に入社したのはいまから20年前、2003年のことです。

21世紀に突入したとはいえ、当時のお葬式はまだまだ昔ながらの慣習を残していました。練馬区は東京23区の中でも農村地帯の多いエリアでしたので、ご自宅でのお葬式も少なくなく、先輩社員からの叱咤を受けながら、仏間に白い幕を張り、白木祭壇を飾りつけしたものです。

もちろん、智福寺会館や宝亀閣斎場のような葬儀専用会館でのお葬式も盛んにおこなわれており、お通夜の弔問に200人や300人くらいの方々が来られることは日常茶飯事でした。

お葬式の景色が変わりだしたのは、2008年に空前のヒットとなった映画『おくりびと』の頃だったと記憶しています。世間のお葬式に対する見方も変わり、家族だけの心のこもった家族葬がより求められるようになりました。

そして、2020年の新型コロナウイルスによって、お葬式の縮小化は一気に加速します。コロナ禍が落ち着きを見せ、お葬式の現場にも少しずつ人が戻ってきたとはいえ、かつては親戚などを合わせて4~50人くらいの家族葬も少なくありませんでしたが、今では10人未満の家族葬が主流になりつつあります。

たかだか20年程度のキャリアですが、それでもマキノ祭典の社員として、時代とともに移り変わるお葬式のあり方をこの目で見て、肌で感じてきました。

●若い世代に経験を伝えることの大切さ

マキノ祭典では、8日に一度、葬祭部のスタッフが集まって早朝勉強会を行っており、社歴の長い私が講師役を担っています。

お客様に満足していただくために、現場に携わる葬祭ディレクターは多岐に渡る知識を持ち、経験を体に叩き込んでいなければなりません。

お客様に対する接遇、ご遺族へのグリーフケア、葬儀の意味や歴史、宗派別の教義や決まりごと、式場ごとのルール、設営の方法や段取り、地域に古くから残る伝統的なしきたりなどといったさまざまなことを、知識と経験の両面から若いスタッフたちに伝えています。

私は辛うじて古い慣習の残る時代を経験しています。こうしたさまざまな事柄を、実際の経験をもとに語ることのできる最後の世代じゃないかと思っています。私より5歳下の世代だと、自宅葬も、大規模葬も、そう経験できるものではありません。

だからこそ、8日に一度の早朝勉強会が大切になってきます。それは、年長である私が部下や後輩たちにお葬式についての知識を伝えることはもちろん、若いスタッフたちが、どこにつまずいているのか、どこに疑問を持っているのかを、改めて知る機会になるからです。

●納棺の風習

たとえば、東京には納棺の時に行う「食い別れ」という風習があります。納棺式を始める前に、参加者全員で一丁の豆腐を切り分けて食べきり、そして日本酒を口に含むのです。白い食べ物をみんなで食べ、清酒を口に含むことで心身を浄めることとなります。

いまではほとんど見られなくなった「食い別れ」ですが、東京や練馬で古くから続くこうした葬儀文化を知っているだけで、より深い知識を持った葬祭ディレクターとしてお客様に信頼していただけるのではないかと思います。

またコロナ禍に入社した社員は、通夜後の会食の「通夜ぶるまい」や、告別式後の会食の「精進落とし」について知りません。なぜなら、三密防止のためにこれらを経験する機会がなかったからです。お客様からすれば「知ってて当たり前だろう」ということでも、経験する場がないから知りようがないということが多々あるのが実情です。

●知見を語り継ぐ

時代の移り変わりは本当にこわいものだと思います。ボーっとしていると、あっという間に新しいスタイルに取り残される一方で、新しさを追い求めるばかりだと古くから続く葬儀文化の中で培われてきた叡智のようなものが見失われます。

だからこそ、社内の年長者が若い世代に自身の経験や知見を語り継いでいく、そして若い世代は分からないことを遠慮なく先輩や上司に聞く、こうした風通しのよい相互のコミュニケーションが大事なのです。

いつまでも若いつもりでいましたが、気づいたら部下や後輩の方が多い年齢になってしまいました。しかし、この年齢になったからこそ語れることがありますし、この年齢になったからこそ耳を傾けてもらえることもあります。

20年間の経験の中で学んできたものを若いスタッフたちに語り継いでいくことは、まさにいまの私のやりがいのひとつです。

若いスタッフたちには、眠い目をこすりながら得た知識を携えて、お葬式の現場でしっかりと経験を積んでほしいと思います。そしてこの勉強会での学びが、お客様の喜びにつながることが、何よりの願いです。