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【ブログ・菊地ののか】グリーフケアとしてのお葬式 | の葬儀・区民葬・家族葬ならマキノ祭典・株式会社まきの

ブログ

【ブログ・菊地ののか】グリーフケアとしてのお葬式

2024.09.01

こんにちは。株式会社まきの、葬祭部の菊地ののかです🐶

大学で心理学を専攻していたわたしは、卒業後、グリーフケアについてもっと学び、その知見をお葬式の現場で役立てたいと思い、この業界へ飛び込みました。

日々の仕事を通じて、大切な人を亡くされた方と向き合う中で、お葬式が単なる儀式ではなく、深い悲しみを抱える人々の心をケアする大切な場であることを実感しています。

このブログでは、わたし自身の経験を交えながら、グリーフケアについて、そしてお葬式がどんな意味を持つのかについて考えてみたいと思います。

わたしの最初のグリーフ

「グリーフ」という言葉をご存じですか?

大切な人を失った時の深い悲しみを指す言葉として知られますが、実はもっと広い意味を持つ言葉なんです。

たとえば、転校や進学など、環境が大きく変わることで感じる寂しさや不安、大切な友人や恋人による悲嘆も、グリーフの一種です。

わたしの最初のグリーフは、小学校1年生のときでした。新しい環境に馴染めず、学校に行けなくなってしまったんです。

とにかくわが家が、そして家族が大好きだった当時7歳児のわたしは、学校という新しい環境に大きな不安を感じていたのでしょう。自分のことを全肯定してくれるこれまでの世界からむりやり引き離される不安や悲しさは、計り知れないものがありました。

そんなわたしを温かく見守ってくれたのが、スクールカウンセラーの先生でした。いまから20年も前のことですから、名前もはっきり思い出せないのですが、先生の部屋に通っていたときのことは、いまもはっきりと覚えています。

先生は、わたしをむりやり教室に行かせようとはせず、一緒におしゃべりしたり、プランターにトマトを植えたり、ただ同じ時間を同じように過ごしてくれるだけでした。

でも、その寄り添いの時間が、わたしにとって大きな安心感と少しの勇気を与えてくれたのだと、今でも感じています。先生のおかげでわたしはまもなく教室に登校できるようになりました。

傾聴力と心理学を役立たせたい

大学では心理学を専攻しました。特に学びたいこと、なりたい職業などなかったのですが、あの時のスクールカウンセラーの先生の記憶がよみがえり、わたしも誰かに寄り添う仕事に就きたいと思ったからです。

カウンセリングで大切なのは、何よりも相手のことばを「聴く」ことです。わたしは学生時代にずっと新体操をしていて、キャプテンを務めていたこともあり、人の話を親身になって聴くのが得意ですし、好きです。いまでも「ののかは聴き上手だよね」と言ってもらえるのは、とても嬉しいことです。

傾聴力と大学で学んだことをお葬式の現場で役立たせたい。そんな想いから、マキノ祭典への入社を決めました。

グリーフケアにおいて、「聴く」はとても大切な姿勢です。ただ「聞く」のではなく、心で「聴く」。もちろんわたしもまだまだ未熟なので、できていないこともたくさんあると思いますが、「この人に話を聴いてもらいたい」と思っていただける葬儀屋さんになりたいと思っています。

無理に立ち直ることなんてできない

心理学を学び、たくさんのご遺族さまと向き合ってきたわたしがお客様にお伝えできるのは、「無理に立ち直ることなんてできない。ありのまま、自然のままでいて下さいね」ということです。

まだ27歳のわたしではありますが、さまざまなお客様と向き合っていると、大切なご家族を亡くした悲しみは簡単に癒えるものではないことを痛感させられるばかりです。

大切な方の死を受け入れるにはどうしても時間がかかりますし、無理に立ち直ろうとすることで、心に負担がかかり、逆に自分を傷つけてしまうこともあるのです。

むしろ、「ありのまま、自然のまま」の状態を受け入れてくれる人がそばにいてくれたらいいなと思います。一緒に悲しみを分かち合い、ただそばにいてくれる存在がいるだけで、それが大きな心の支えになります。

それはまさに、小学1年生の時、グリーフに悩んでいたわたしをあたたかく受け入れてくれたスクールカウンセラーの先生のように。

寄り添いが支えになる

グリーフとは、長い時間をかけて、自分自身で大切な方の死を少しずつ受け入れていくもので、お葬式や法事は、その長い時間の中で設けられる、グリーフケアのための儀式です。

家族や親戚が集まって、みんなで故人さまを悼み、いたわり合う。「悲しいのはわたしだけじゃないんだ」ということを共感するためのイベントです。

お葬式、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌と、定期的に供養をすることで、時間の流れを再確認でき、少しずつ心の悲しみが癒えていくことを感じられることでしょう。

そう考えると、お葬式や法事は、残された方々が故人のいない世界で前向きに生きていくための大切な儀式であり、葬儀社の役割は、お客様の幸せに奉仕する、グリーフケアそのものだと感じます。

この記事を読んで下さっているあなたが、もしもいまグリーフに苦しんでいるのなら、ご家族、友人、会社の同僚…だれだっていいと思います。何も気を使わずに言いたいことを言える人に、遠慮なく甘えてみてください。

もしもそうした相手が見つからないようであれば、お寺のお坊さんや、心理カウンセラーやグリーフケアカウンセラーなどの専門家に連絡してみてもよいでしょう。

そして、このブログがご縁を感じて下さった方は、マキノ祭典にお電話をいただくなり、お店(練馬区内5か所のお葬式相談サロン)にお越しください。もしよろしければ、わたしたちがお客様のお話を聴かせていただきます。