
【ブログ・利根川純】”ホワイト葬儀社”への挑戦

こんにちは。マキノ祭典で統括部門長を務める利根川純です。
前回のブログでは、赤羽に生まれた私が迷走しつつもマキノ祭典に入社するまでのお話を綴らせていただきましたが、本記事では、ブラック体質だったマキノ祭典が、どのようにホワイト企業を目指し始めたのか、そんなマキノ祭典の歴史についてお話しします。
社員が誇りを持って働き、お客様に安心していただける会社を目指す、私たちの歩みをぜひご覧ください。
ブラックになりがちな葬儀社特有の事情
前回のブログで少し触れましたが、私が入社した約20年前のマキノ祭典は、今の姿からは想像もつかないものでした。
- 扉を開けた途端に襲ってくるタバコのヤニ
- ヤニでまっ黄色に染まった事務所の壁
- 机に足を乗せて『ヤンマガ』を読む先輩
- 当たり前の深夜出勤、休日出勤
- 変死現場や祭壇設営などの苛酷な肉体労働
これだけを聞くと、「マキノ祭典はブラック企業だったのでは?」と思われても仕方がないかもしれません。ただ、当時は「ブラック企業」という言葉自体が広く知られていませんでしたし、社員も「これが普通だ」と受け止め、とにかく目の前の仕事を黙々とこなしていました。
葬儀社がブラック化しやすい理由の一つに、業界特有の事情があります。人はいつお亡くなりになるか分からないため、24時間365日稼働する体制が求められます。その結果、労働時間が長時間かつ不規則になりがちです。そして、当時のマキノ祭典は、その労働環境を「仕組み」ではなく、「体力と根性」で乗り切るのが当たり前だったのです。
ホワイト企業を目指すきっかけとなった新卒採用
マキノ祭典が大きく改善し始めた一番のきっかけは、新卒採用を始めたことです。
これは、櫻井秀昭さんもブログ『マキノ祭典の働き方改革』で触れていましたが、新卒採用を募るということは、会社もまた就活生から評価されるわけです。
これまで、お客様に喜ばれる葬儀社を目指していましたが、従業員に喜ばれる会社を目指していたかと問われれば、正直疑問でした。なんせ、社員の「体力と根性」に頼るのが当たり前だったわけですから。
しかし、若い人材に「この会社で働きたい!」と思ってもらうには、労働環境、給与、福利厚生などを整えなければならないことに気づかされ、そこからマキノ祭典のホワイト企業への挑戦がスタートしたのです。
今となっては事務所内でタバコを吸う人はいませんし、暇な時間に机に足を乗せて『ヤンマガ』を読む社員もいません。
長時間労働の一番の原因である宿直体制も整備し、葬儀担当も分業制にすることで社員の負担を軽減させました。有休消化率や休日数も業界内ではトップクラスと言えるのではないでしょうか。
もちろん、社員の働きやすさばかりを追及して、サービスの品質が低下してはなりません。品質を維持、さらには向上させるために、日々の環境整備、社員研修、社内勉強会、ミーティング、レクリエーションなどを継続的に実施しています。
おかげさまで、当時20人程度だった従業員の数も、いまでは100名近くに及ぶまでになりました。
原動力は社長・牧野の信念
10年前にマキノ祭典を退社して故郷に帰った同期と話す機会がありました。私がマキノ祭典の”ホワイト化”について話すと、彼は目を丸くして驚き、こう尋ねてきました。
「トネちゃん。あんなに苛酷で忙しい職場で、どうしてそんなに大きな改革ができたの?」
言われてみれば「そうだなあ」と、少しその経緯を振り返っていたのですが、やはり一番は牧野社長の信念だと思います。
マキノ祭典には社員全員で共有する『経営理念』があります。
私たちは
天に通ずる葬祭専門職業人として
「ありがとうございます」の言霊を伝導し
宇宙の平和に貢献します。
合掌
この「天」や「宇宙」の中には、お客様はもちろん、従業員やその家族、さらにはそれぞれのご先祖様たちもいるわけです。その全員の幸せのために一企業として何ができるのかを考えた時に、牧野は自社の発展やお客様の満足だけでなく、従業員の幸せにも貢献する会社にしなければと突き動かされたのでしょう。
また、新卒の子たちが入ってきてくれたことで、牧野も丸くなりました。これまでは中途採用のおじさんたちに囲まれるのが常で、かなり尖っていましたが(私が新入社員だった時はバチバチにしごかれました)、若いフレッシュな新卒社員に触れたことで牧野自身も柔和になったのです。きっと親がわが子を見るように、若い社員たちの暮らしや未来を支えたい、そんな意識が芽生えたのでしょう。
手広くよりも根深く
マキノ祭典が目指すのは、「手広く」よりも「根深く」。社員が増えたことで、地域のお客様をより深くケアできる体制を整えました。
たとえば、お迎え先の高齢者施設の職員の方からも、
「マキノさんは連絡をしてからすぐ来てくれる」
「ほかの業者さんと違って、マキノさんは必ず2人で来てくれるよね」
「夜に連絡してもイヤな顔せず対応してくれるからありがたい」
…などのお声を頂戴しています。とてもありがたいことです。
お葬式を終えられたお客様からも
「最大限寄り添って、手厚くサポートしてくれた」
「ありがとうという言葉では物足りないくらい感謝の思いでいっぱいです」
「お打ち合わせが丁寧で、説明が分かりやすく助かりました」
…などのおことばをいただいています。
この記事を書くことになり、久しぶりにマキノ祭典のGoogleページを見たのですが、120件のコメントをいただき、評価は「4.8」。これは本当にありがたいことです。その他、練馬区内の各店にも軒並み「4.9」の評価をいただき、私たちがいかに練馬の方々に支えられているかを実感します。
社員が増えることで事業をより拡大していく姿勢も大切です。でも、お葬式は亡き人やご家族の「心」や「魂」に触れるお仕事です。だからこそ、より深い部分でお客様の安心をゆるぎないものにすることが最優先だと考えます。
赤羽で生まれ、迷走し、そして練馬に育てられた私も、いまとなってはひとつの会社を統括する立場になり、喜びとともに責任を感じています。
これからも、地域に根差し、お客様に安心していただき、社員もやりがいを持って働いてくれる、そんなホワイトな葬儀社を目指して参ります。
マキノ祭典を、何卒よろしくお願いいたします。