秋分の日は「お墓参りの日」|秋のお彼岸の魅力を語る
少しずつ、風のなかに秋の気配が混じるようになってきましたね。
猛暑が続いた夏が過ぎ、
風が涼しく感じられるこの季節は、気持ちまでどこかすーっと落ち着いていくような心地よさがあります。
さて、もうすぐ秋のお彼岸ですね。
日本には春と秋、年に二回のお彼岸がありますが、
実は、秋分の日は「お墓参りの日」として記念日に制定されていることをご存知でしょうか。
今日は、なぜ秋のお彼岸にお墓参りをするのか。
そして、その深くて心温まる魅力について、ゆっくりとお話ししたいと思います。
「秋分の日」は国も認めた先祖供養の日
お墓参りの季節といえば。
夏のお盆、年末年始、そして春と秋のお彼岸ですよね。
その中でも、秋分の日はまさに「お墓参りの日」なのです。
これは2013年に、お墓の業界団体(日本石材産業協会)が「もっとお墓参りの大切さを伝えたい」という想いから申請し、認定された記念日です。
では、なぜ春分ではなく、秋分の日がお墓参りの日なのでしょうか。
実は、国の法律(国民の祝日に関する法律)に、その答えがあります。
法律の中で、秋分の日はこのように定められているのです。
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」
一方で、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」と書かれています。
同じお彼岸の祝日でも、国が定めた意味合いが少し違うのですね。
秋分の日は、いわば国も認めた「ご先祖さまを想い、感謝を届ける日」なのです。
政教分離と言われる現代にあっても
日本人が昔から大切にしてきた温かい心の伝統が、こうして法律にもしっかり残されているというのは、なんだか少し胸が熱くなりますよね。
秋のお彼岸に込められた、さまざまな「祈り」
お彼岸という言葉は、仏教の言葉で「彼岸(ひがん)」、つまり「あちらの世界(悟りの世界)」を意味します。
春分や秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈む特別な日です。
仏教では、西の彼方には極楽浄土があると考えられてきました。
そのため、昔から夕日を拝みながら、あちらの世界にいる大切な人を想う風習があったのです。
そしてもう一つ、秋のお彼岸には大切な意味があります。
それは「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」への感謝です。
昔から農村では、秋のお彼岸の時期は実りの秋、収穫の季節で、
無事に作物が育ったことに感謝します。
「ご先祖さま、今年も豊かな実りをありがとうございます」
と、収穫の喜びをご先祖さまと共に祝っていたのです。
現代に生きる私たちにとっても。
今日こうして平和に暮らせていることへの感謝や、家族の幸せと健康を祈る大切な機会になりますね。
秋のお彼岸のお墓参りが心地よい3つの理由
秋のお彼岸にお墓参りをするのは、心だけでなく、体にとっても心地よい理由がたくさんあります。
まず、気候がとにかく爽やかですよね。
秋のお彼岸の時期は、一年の中でも一番お墓参りがしやすい季節です。
猛暑も落ち着き、寒すぎず、爽やかな風を感じながらゆったりとお参りができます。
次に、お墓のお掃除がしやすいこと。
お盆のお掃除も素晴らしいことですが、炎天下での作業は熱中症のリスクがあり、体に大きな負担がかかります。
涼しい秋のお彼岸こそ、ゆっくり心を込めてお墓を磨くのに最高の時期なのです。
そして、季節の変わり目をご先祖さまと一緒に感じられること。
私が一番感じてほしい魅力が、これです。
秋のお彼岸は、夏から秋へと季節が移り変わる境界線です。
風の冷たさや空の高さ、虫の声。
そうした「季節の変化」を、ご先祖さまと一緒にじっくりと感じることができるのが、秋のお墓参りの醍醐味ではないでしょうか。
境界が交わる場所で、大切な人と出会う
日本人は昔から、季節の変わり目という「境界」をとても大切にしてきました。
季節が交わるこの時期は。
こちらの世界と、あちらの世界の境界も、ふっと優しく重なり合うような気がします。
「彼岸」というあちらの世界にいるご先祖さまも。
涼しくなったお墓の前で、あなたが訪ねてきてくれるのを待っています。
お墓参りは、あなたとご先祖さまをつなぐ、とても大切な場所です。
お線香をあげて、手を合わせる。
ただそれだけで、日々の忙しさでトゲトゲしていた心が、ふっと優しく解けていくのを感じられるはずです。
ご先祖さまはきっと、あなたの訪問を笑顔で迎え入れ、温かいパワーを分けてくださいますよ。
おわりに
今年の秋分の日は、少し時間を作って、お墓参りに出かけてみませんか。
「お墓が遠くて行けない」という方は。
お家のお仏壇や、お写真の前で、静かに手を合わせるだけでも十分です。
「今年も秋が来ましたよ」「いつも見守ってくれてありがとう」
そんな風に、心の中で語りかけてみてくださいね。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ、心穏やかな秋のお彼岸をお過ごしください。